Deep Learning再構成を用いることによりノイズが大幅に低減できるため、従来よりも少ない線量でこれまでと同等の画質を得られることがわかりました。そこで頭部領域ではAuto mA(自動線量変調機能)の最大値を330mAから200mA、胸部領域ではAuto mAの最大値を750mAから330mAに撮影条件を変更して運用を開始しました。また、2022年7月からは3D DLカメラでの自動ポジショニング機能の使用を開始しています。
各期間での被ばくの変化を、検査数の多い頭部単純・胸部CT検査を対象にDose Length Product [mGy・cm](以下DLP)を用いて比較しました。
被ばく線量をDLPで比較した結果をFig.7,8に示します。
Revolution Ascend の導入後、頭部、胸部ともに平均DLPは明らかに低下し、頭部で約20%、胸部で約25%の被ばく低減が確認できました。前述の通り、線量低減させても画質は維持できており、これはTFI使用によるものと考えます。
Fig.7 各期間における被ばく線量の推移
Fig.8 各期間におけるDLP[mGy・cm]の平均値
また、3D DLカメラによる自動ポジショニングの導入後にはさらに被ばくを低減することができました。特に体幹部では平均DLPがさらに5%低下しており、これは自動ポジショニングによって技師の技量に依存せず、正確に患者の体厚中心にポジショニングできたことによるものと考えます。
現在の頭部の平均DLPは約1000、胸部の平均DLPは約320となっています。