SSF2.0でのTAVI術前検査画像に対する心臓の動き抑制効果を検証するため、収縮期の大動脈弁最大開口位での画像と、その画像でのSSF2.0画像を連続30例 で5段階視覚評価を行った。また、その中でTAVI術前計測から選択されたデバイスサイズと実際にTAVI実施した10例で使用したデバイスサイズの確認を行った。検証データの心拍数は68.2bpm±14.82、再構成位相は28.46%±2.87であった。(図4)
図4 TAVI術前時データの内訳
視覚評価では、大動脈弁輪、バルサルバ洞、ST接合部、左右冠動脈起始部のモーションアーチファクトを総合的に5点満点で評価し、1点を評価困難、5点をモーションアーチファクトなしとした。
視覚評価の結果、SSF2.0画像はSSFなし(原画像)と比較しモーションアーチファクトは軽減され、ScoreはSSFなし(原画像)では3.4±0.66に対しSSF2.0画像では4.43±0.55となりP<0.01となった。(図5)
図5 SSFなしとSSF2.0画像の視覚評価結果
当院のTAVIではSapien3とEvolut Proの2種類のデバイスを使用しているが、SSF2.0導入後にTAVI実施した20例ではTAVI術前計測での弁径面積から選択されたデバイスサイズから術中にデバイスサイズを変更することなくTAVIを実施することが出来ている。Retrospective検証の結果、SSFなし(原画像)での弁径面積では1症例Evolut Pro 23mmと26mmでのデバイス選択の違いを認めた。(図6)
図6 SSFなしとSSF2.0画像のデバイス選択