Revolution CTを導入する以前も10年以上心臓CTを実施してきました。心臓CTは最大で午前中に11件の予約枠を設けています。以前は一検査20分で検査を行う為にCT検査担当者を常時2名配置していましたが、CT装置を更新したことにより担当者は1名で済むと考えています。これは図1にも示しますが、一件当たりの検査ワークフローが最適化され、業務が被ることなく行えることにあります。
過去の検査時はどうしても至適心位相を探すため、segment再構成等を繰り返し撮影と画像検索を両立するのは困難でした。しかし、最適心位相検索に「Smart Phase」、モーションアーチファクトを抑制する 「SnapShot Freeze2.0(以下SSF2)」を併用することにより、最適心位相の検索をほぼ自動で行えるようになりました。結果、心臓CTの最適心位相検索に時間を割く必要がなくなり、人員配置の最適化を行えるようになると考えています。
図1 当院の心臓CT検査におけるワークフロー模式図(□が更新前、
□が更新後)
心位相検索に時間を割かなくて済むため、一人で一連の作業が可能に
また被曝の最適化としても秀逸です。当院の心臓CT時のルーチンは、石灰化スコア撮影、冠動脈撮影、胸部撮影の3回撮影です。装置の更新前後で被曝を比較する際に、冠動脈撮影のCTDIvol[mGy] と全ての撮影における合算DLP[mGy・cm] にて行いました。
図2にグラフを示しますが、明らかに更新前後で被曝が低下しました。これはRevolution CTの心臓画像再構成に必要な心拍が1beat以下であることが大きな要因となります。装置の更新前に心臓CT撮影を行う際は心拍数にもよりますがsegment再構成を多用することがありました。このため、2beat、3beatの撮影を行うとも多く、それに伴い被曝線量も増加する傾向にありました。しかし管球回転速度の上昇、不整脈対応、SSF2の機能により、心臓CTの線量を50[%]以上低減することに成功しました。
図2 当院のルーチン心臓CT検査における被曝の推移(2022年4月~2023年5月)