① 受診者の痛み軽減
GE HealthCare社の乳房支持台の適度な大きさや形状は、予想通り、腋下や肋骨の痛み軽減に寄与していると思います。他施設からの紹介の方など、他社装置で撮影経験がある方からは、
"前回と比較して痛くなかった"
という声を多くいただいており、機種選択は間違いではなかったと感じています。
しかし、一概に装置ばかりの問題ではなく、技師の接遇やポジショニングの技術によるところも大きいと思いますので、更に技術向上に努めなければならないと思っています。
② 操作性の良さ
今まで使用経験がある装置は、撮影前にその受診者の撮影方向を入力しておく必要がありました。追加撮影があれば、そのまま撮影を継続できず、その追加分を入力しなければ撮影に移ることができませんでした。
しかし、 GE HealthCare社の装置は、撮影方向を角度で判断してくれるので、私は、右か左かを選ぶだけで撮影ができます。追加撮影も同様です。この簡便さには驚きました。また、仮に左右を間違えてしまったとしても、簡単に訂正ができますし、全体的に撮影時間の短縮につながっています。
③ 圧迫板のセッティング
18×24cmの圧迫板を使用する際、MLO撮影では圧迫板の位置を上部に移動させますが、もし、移動を忘れてポジショニングを開始しても圧迫板が動きませんので、すぐに気が付くことができます。これはCC撮影でも同様で、MLO撮影時に移動したままの圧迫板の位置では、圧迫板は動きません。
今まで使用経験のある装置は定位置に圧迫板がなくとも、圧迫板は動きますし、曝射もできます。曝射後の画像を見て、初めてミスに気付くことになります。圧迫板の位置と照射野がずれますので、画像欠損になることもあります。
十分に注意しながらポジショニングを行っていても、そのような事例が起きる可能性はありますので、 GE HealthCareのシステムは非常に安心して使用できます。
写真6 撮影コンソールの操作画面
④ 電源投入後の立ち上がりが早い
電源投入後、キャリブレーションも無く、撮影開始までの時間が非常に短いため、万が一、トラブル等で電源の再投入を行ったとしても、受診者をあまり待たせることなく、撮影ができるものと思います。(幸いにも今までそのような事例はありません)
様々な受診者に対するスムーズな撮影と操作性の良さは、検査のスループットの向上につながっており、診療がスムーズに進むためには重要なことと感じています。
機種選定にあたり、コロナの影響等で他施設の装置見学が難しい中、交流のある技師からの声などを基に、先生に情報を提供しましたので、実際に運用が始まってみて、その選択が間違いでなかったことに安堵しています。
写真7 マンモグラフィ検査室
写真8 君島乳腺クリニックの皆様