● I-131のイメージング
I-131のγ線のエネルギーは、364 keVであるため、高エネルギー用コリメータの使用が推奨されますが、当院では、高エネルギー用コリメータを有していないため、中エネルギー用コリメータを使用しています。そのため、スターアーチファクトが発生する場合があります。スターアーチファクトは、γ線がコリメータ隔壁を貫通することによって発生し、形状が六角形であるため、星のような形状で斜めに発生します。スターアーチファクトは、放射能が高いほどアーチファクトも強くなるため、I-131の取り込みが多い症例では注意が必要です (Fig.2)。
Fig.2 スターアーチファクトの有無
● Lu-177のイメージング
Lu-177のγ線のエネルギーは、113 keVと208 keVであるため、収集するフォトピークの設定によってコリメータを選択する必要があります。Fig.3に各コリメータとフォトピークで収集したフラッドソース線源画像を示します。低エネルギー用と拡張低エネルギー用は、208 keVのフォトピークでスターアーチファクトが発生していますが、中エネルギー用では、発生していません。Lu-177のイメージングでは、フォトピークとコリメータにより画質は異なるので最適なフォトピークとコリメータを選択する必要があります。さらに、定量値を含めた評価が必要だと考えます。
Fig.3 各コリメータとフォトピークで収集した画像