腹部編 Vol.2

※獣医師の監修のもとに作成されたものです。

小動物の腹部エコーの基礎
泌尿器、生殖器の基本的スキャン

泌尿器、生殖器の評価のポイントを「Vol.3 & 4 & 5 講義編」と「Vol.6 実技編」で一緒に確認していきましょう。

Q1 腎臓のエコー像として間違っているものはどれでしょう? 左右1対で形状はほぼ同一であり、楕円形あるいはそら豆状を呈する 片側の腎臓の腫大(腫脹)は、代償性肥大の際に頻繁に確認される 腎臓の矢状断面像では、辺縁から順に腎臓髄質、腎臓皮質さらに中心エコー帯という3つの領域が明瞭に確認される 中心エコー帯は、腎洞と腎盂周囲脂肪に相当し、高エコーに描出される

Q2 膀胱・尿管の超音波像の評価として間違っているものはどれでしょう? 尿管の横断径は3mm以上で、尿管に何らかの異常が存在する可能性が高い 尿管は腎盂から始まり腎門を出て、比較的腹部の深部を通り、膀胱三角部まで走行する 膀胱壁は、1本の細い低エコーのラインにより中央を分断された高エコーの2本の細いラインとして観察される 正常犬の膀胱壁の厚みは1.5mm前後である

Q3 前立腺の形態、また超音波像の特長として間違っているものはどれでしょう? 前立腺は犬では発達しているが、猫は発達が乏しい 前立腺の大きさは10Kgの犬で約直径3cm、大型犬で約4cmである 若齢犬では相対的に膠原繊維が多いため、やや低エコーに観察されることがある 中央付近に前立腺内尿道が確認される

Q4 卵巣の形態、また超音波像の特長として間違っているものはどれでしょう? 左右卵巣は腎臓の尾側で体表により近い位置に存在している 卵巣は皮質と髄質からなり、エコー検査で明瞭に区別することが出来る 発情期には卵巣は卵胞が形成され、複数の無エコー構造として描出される 発情後期には楕円形から丸みを帯びた形状へ変化する

Q5-1 腎臓へのアプローチとして間違っているものはどれでしょう? 右側腎臓よりも左側腎臓のほうが描出が容易である 腎臓を描出するには、腹側からのアプローチと腹壁の左側および右側からアプローチする方法がある 右側腎臓は左側腎臓と同レベル、あるいはやや頭側に位置している 左側腎臓はしばしば肋骨弓内におさまっているため、肋間における走査が必要になる場合がある

Q5-2 子宮、卵巣へのアプローチとして間違っているものはどれでしょう? 子宮体部は膀胱内に尿が貯留しているほうが描出しやすい 子宮体部の描出は、縦断面のほうが他の臓器との鑑別がしやすい 卵巣は腎臓の尾側に描出される

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